東海北陸ブロック指導員研修会(愛知県主管)実技A実施レポート

山口誠(SAJデモンストレーター・ブロック技術員)

平成16年度東海北陸ブロック指導員研修会が12月5、6、7日と乗鞍青年の家、飛騨高山スキー場にて開催されました。

1週間で冷え込んだこともあり乗鞍青年の家までの道のりは積雪していました。また、スキー場も真っ白に覆われていましたが、雪不足はまだまだ解消されていません。ゲレンデの半分以上は人工雪で天然雪はうっすら表面に被さっているだけでした。でも、忘れてはいけません。雪不足のなか雪を作って下さったスキー場関係者の方々には深く感謝致します。

第1日目

この日は午後からの受付けとなり理論講習のみが行われました。市川真澄先生によるターンのメカニズム(水平面に荷重角付け等)やスキー運動(股関節のがい旋、体幹部の内向等)について分かりやすくご説明頂きました。

 

第2日目

開会式では乗鞍青年の家の職員の方がオリエンテーションを行い宿泊での注意事項などを説明されました。

続いて、市野聖治先生による理論研修が行われました。
トップコントロール、テールコントロール時の体の使い方など、ビデオと私(山口)による椅子を使ったニュートラルポジションの確認や股関節のがい旋等、細かくスキーヤー自身の2軸感覚を述べられました。また、自然の力で椅子から立ち上がる時、がい旋と内旋での違いを体験しました。当然、がい旋では自然の力で立ち上がる事ができ内旋では立ち上がる事ができません。この様に、実技前の良いイメージトレーニングになったのではないかと思います。

午後からの実技研修では、市野先生の解説でブロック技術員によるデモンストレーションを行った後、各班に別れ実践を行いました。

私の班は田嶋デモとジョイントで実施しました。
ゲレンデが狭いので交互にどんどん滑らせようという趣旨でしたが少し場所を取り他の班の邪魔をしていたのでは…。私たちの班ではニュートラルポジションに重点を置きそこから内側、外側へ水平面に対して角付けすると言った事を体験していきました。なかなか今までの滑りから抜け出せない先生方もいたようですが、理論と意識がかみ合ってきた頃には少なくとも今までにはない感覚があったのではないでしょうか。

午後の後半は一柳部長のクリニック及び市川先生の理論があり、クリニックでは「新検定制度」について、理論では市川先生から見た分かりやすく噛み砕いた「水平面理論」の講義がありより深く理解を深めることができました。

第3日目

午前は実技があり、前日行った二軸運動感覚の確認や商品開発について等雪上で意見が交わされました。また、研修されている先生が講師として行っている班もあったようです。昼食後には班毎にディスカッションを行い、たくさんの意見交換がなされました。私の班は準指を取って1〜3年までの班でしたので初めて研修会に参加された先生が多く「受検に合格するのがゴールだったが指導者の立場で勉強になった」など色々考えさせる研修会だったのではないでしょうか。 閉会式の前には発表会がありました。

今年の研修会は今までとは違い、受身ではなく受動的に物事を考えたり実行したりと私たちスキー指導員がスキー人口の減少を厳粛に受け止め、スキーヤーを呼び戻すにはどうしたらよいのか今シーズン考えていかなければならないと感じました。またそれを来シーズンどう生かせるかが重要ではないかと思います。 スキーの目的は「楽しさ」を再度認識して楽しいスキーを伝えて行きたいと感じさせる研修会だったと思います。