第42回全日本スキー技術選手権大会参加レポート(強化コーチ)

阪部浩司(ブロック技術員)

阪部浩司(ブロック技術員)

今大会、は男子3名が準決勝に進出し、過去最高の成績をおさめることができ達成感でいっぱいです。3月6日(日)から合宿に入り、7日(月)〜9日(水)も公式トレーニングを経て、予選に突入した。

予選

予選では、午前中リーゼン上部の総合滑降を担当した。女子1班のバーン状況は、ウィンドクラストが不規則に残っており最悪。2番スタートの濱島選手は、そんな状況を少しも感じさせない最高の演技を見せたが、得点は伸び悩んだ。女子1班が終わる頃にはバーンも緩み、滑りやすくなり得点も伸び始めた。愛知の選手はスピードを追求した結果、演技構成が単調になってしまった。

本選

本選では、午前中兎平の大回りを担当した。バーンは、軟らかくスキーが雪面にもぐりやすい状況であった。ゴール手前は、斜度がリフト側に落ち込んでいるため、反対側の3分の2のスペースを滑るように指示を出した。愛知の選手は、この指示の影響からか全体的にターンサイズが小さくなってしまい得点が伸び悩んだ。

準決勝(午前)

準決勝では、午前中国際第1の小回りを担当した。バーンは、硫アンが入り適度に硬い状況であった。愛知の3選手は、実力を出し切れたと思う。さらに高得点を狙うには、パワーアップと谷回りからの荷重であろう。

準決勝(午後)

午後は、国際第1の大回りを担当した。午前中の競技の後にデラパージュが入っただけで、コート全般に小さな起伏がある状況であった。中井・山口選手は、実力を出し切れたが、小野田選手は、スタート直後に右手を着いてしまい、リズムを掴めないまま演技終了した。躍動感あるスキーの走りが必要である。

まとめ

全体的な感想は、昨年の8月から始まった選手強化が、今回の良い結果に繋がったと思う。特に、東京都選考会にオープン参加した選手4人のうちの2人が、準決勝に進出したことは、大きな成果の要因のひとつと考えます。

個人的には今回で11回目の全日本、今年ほど多くの方々にサポートしていただき、多くの選手が実力の100%以上の滑りを見せてくれた大会は、かつて無かったと思います。選手およびサポートの方々から、多くの事を学ぶことができ感謝の気持でいっぱいです。

今後の課題は、大回り・小回り・総合滑降の全てに共通して、速いスピードのなかで、ターン後半早く抜け出し、谷回りを長く見せれる滑りを目指し、躍動感を表現することだと、大会を通して強く再認識しました。愛知県チームのさらなる躍進を期待します。