東海北陸ブロック技術員研修会参加レポート
市川真澄(ブロック技術員)
東海北陸ブロック技術員研修会が、平成16年12月4日(土)から2日間にわたり、静岡県スキー連盟の主管により「スノータウンイエティ」を会場として行われた。開会式は、天候に恵まれ、白雪をかぶった富士山の全景を見ることができた。会場は緩斜面中心のコースであるが、よく整備されており、この時期としては最良の条件であった。
第1日目は、開会式後、ナショナルデモを中心とした講師ごとのグループに別れて実技研修が行われた。実技研修は、各グループとも本年度のオフィシャルブックの内容に沿って行われていたが、私の所属した丸山貴雄ナショナルデモグループの研修内容の一部を紹介したい。
最初に、水平面を基準とした「角付け」に焦点をあてた研修から始まった。斜面下方へ自分自身が滑走するという条件で、自分自身を中心としてブーツを自分の前に置くと「ずれやすい角付け」になり、反対にブーツを自分の後ろに置くと「ずれにくい角付け」になるという説明があった。さらに、前者はテールコントロールに相当し、後者はトップコントロールに相当することが示された。これは水平面を基準とした角付けを感覚的にとらえるひとつの方法として有効であると思われた。
次に、外脚主導、両脚主導および内脚主導の感覚的なとらえ方として、外脚主導の場合には外脚を曲げ続け、両脚主導の場合には両脚を曲げ続ける。そして、内脚主導の場合には内脚を曲げ続ければよい(曲げ荷重)という説明があった。さらに、中心軸運動感覚と2軸運動感覚の内容に関する説明と実技研修が行われた。
午前から午後にわたり実技研修が行われ、午後の研修終了とともに雨が降り出した。実技研修に引き続き、理論研修が会場を宿泊所に移して行われた。最初に、市野イグザミナー委員長から本年度におけるスキー技術の考え方についての講義があり、次に、自然体験活動推進協議会の桜井氏から、自然体験活動の指導者登録についての依頼があった。全日本スキー連盟は、今年度、他の関連団体と提携して活動を行うことにより、スノースポーツの活性化をはかることを企画しており、我々も積極的に参加する必要性を感じた。最後に、奥田専門委員から、公認スポーツ指導者制度の改定についての説明があり、平成17年度から、現行の公認スポーツ指導者制度を見直して新スポーツ指導者制度が発足することが報告された。また、日本体育協会のスポーツ指導員等の資格を有する者は、無条件で新資格に移行する予定であることも報告された。
第2日目は、前夜に通過した台風なみの強力な低気圧のため大幅な予定変更が行われ、宿泊所において実技研修グループ別の討論会となった。約1時間にわたり活発な討論が続き、最後にグループ別に代表者による討論内容の発表があった。
第2日目の実技研修は中止となったが、ナショナルデモを囲み、研修会テーマの深い部分まで討論する貴重な機会を得たことは、今後の我々のスキー指導に大きく寄与するものであった。