第2回教育部委員研修会参加レポート

青木敬介(ブロック技術員)

平成16年8月21日(土)名古屋市女性会館において、教育部第2回目の研修会が行われました。

第1回同様ブロック技術員、SAA委員、強化指定選手ともに講義、グループ討論とお互いにスキー技術の理解、知識の向上に励みました。

冒頭に一柳教育部長より挨拶があり、現在熱戦が繰り広げられているアテネオリンピックを取り上げられました。「お家芸復活」のキーワードとして、水泳は科学的なデータ分析、体操は基本の積み重ね、柔道はルールの変更が挙げられました。スキー界も過渡期にあり戦略的、科学的に進めて行き、自分たちの力を大きくしていきたいと述べられました。

続いて、市野聖治SAJ専門委員による講義に移りました。

初めにSAJの動向などをお話しされました。昨日もオフィシャルブックの打合せだったとのことで、本年度からはDVDを添付し、その編集作業中であるなどの説明がなされました。

続いて「スキーの壁」としてお話しされました。折しもアテネオリンピックの話題になり、ハンマー投げの室伏選手が今まで繰り返し見てきた自分のビデオを見るのをやめたお話しをされました。なぜなら自分の弱点ばかりに目が行ってしまうからだそうです。スポーツ選手は主観、内観といった「感覚・イメージ」の視点からとらえることが多く、客観、外観といったいわば科学的な「知見」との間に「壁」が存在するというものでした。

スキー界で見ると、「知見」の視点からアプローチしたのが2004年度の中央研修会であったが、「感覚・イメージ」でいこうとする流れが少なからずあり、これでは停滞してしまうことが予想される。多くの人が「感覚・イメージ」の視点から「知見」を考えようとするため「わからなく」なってしまう。そのため「知見」と「感覚・イメージ」の間の「壁」を乗り越えるために「通訳・翻訳」といった作業が必要であり、この「壁」を我々は飛び越えていかなければいけない。スポーツ選手において「感覚・イメージ」の世界でばかりでなく、「知見」を取り込むことによって新たなイノベーションを生みだしてきたことから、このことは一般スキーヤーにおいても同様であろうと述べられました。

次にスキー技術を理解するにあたり、中心軸運動感覚・2軸運動感覚、外スキー主導・内スキー主導と実験も交えながら進めました。2軸運動感覚における重力による落下を生かし、体の軸を長くとることがパフォーマンスの向上につながることを体験しました。また、技術指導の展開において中心軸運動感覚のプルークボーゲン、2軸運動感覚のプルークターン、パラレルターンの流れができてくるのではないだろうか。条件がそろえば初めからパラレルターンでの導入もあるのではないだろうかと、示唆に富む提案がなされました。

後半は出席者を5班に分け「技術の根幹」をテーマとし、グループ討議を行いました。

各班とも熱い議論がなされ「どうしたらターンができるのか」、「ニーズの多様化に対応」、「場・人・物の変化」、「力(外力・内力)をいかに制御するか」などさまざまな視点からの発表がありました。多くの人の考え方を知ることで、さまざまな物の見方を知るいい機会だったと思います。

最後に、今回のグループ討議では、一方通行的に話を聞くスタイルから、皆で考え、意見を述べ合うスタイルへ変換し、このような場を多くすることで更なる活性化につなげていきたいとありました。

今回の勉強会の中で、幾度かスキーのプロフェッショナル(専門的集団)であってください、なかでも知的レベルにおいてのプロフェッショナルになってくださいとありました。今後もブロック技術員、SAA委員、強化指定選手ともども自分の感覚を高め、スキーの楽しさ、素晴らしさを伝え、表現できるよう自己研鑽に努めたいと思いました。

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