第41回全日本スキー技術選手権大会参加レポート

阪部浩司(ブロック技術員)

競技風景(国際第一・急斜面小回り・整地)第41回全日本スキー技術選手権大会が3月13日(金)〜15日(日)で長野県八方尾根スキー場で開催されました。本県からも先ごろ行われた平成16年度全日本スキー技術選手権代表選考会並びに平成17年度教育部強化指定選手選考会において上位の成績を収めた男子6名(補欠1名)、女子5名及び監督・コーチ4名の計15名で参加しました。

結果は残念ながら全員予選落ちとなりましたが、全日本のトップ選手と技を競うなかで、今後の課題がいくつか見つかりましたので、ここに報告させて頂きます。

監督及びコーチ 阪部浩司、浅田薫夫、青山和敏、森下雄大
参加選手(男子6名) 小野田謙介、山口誠、吉村典行、中井俊暢、片桐健治、川村毅
参加選手(女子5名) 宮原祥予、中嶋利恵、小川笑子、都築朋子、成瀬麻優子

予選1日目

総合滑降(ウスバ)

朝から雨が降り続き、11時過ぎからガスも出始め、競技が中断することが多く、選手は集中力を持続させることが非常に難しい条件であった。昨年同様にウェーブは4つ、ただし、第4ウェーブの位置がスタートよりに上がったため、第3・第4ウェーブの間が短くなっており、リズム変化を入れる場所は、第2・第3ウェーブの間に限られた。高得点をたたき出した選手に共通することは、ハイスピードの中で素早く力強い運動を表現した点であった。愛知県選手の最高点は男子255点・女子248点。スピード感が足りず、運動表現も不足していた。

中斜面・人工ウエーブ・大回り(名木山)競技風景(名木山・人工ウエーブ)

雨が時折激しく降り斜面状況は、硫安が撒かれていたが、完全にパック出来ていない状況。ウェーブは、昨年のまでの7つから6つに減った。中斜面という事で、スピードを失わずにウェーブを乗り越えるポジショニング能力が求められた。 高得点の選手の滑りを見ると、やはりスピードの中で動きを止めず、正確なポジョニングとなんといっても谷回りの内傾角の違い。前半で働きかけができているので、スキーが雪面に張り付いている感じであった。愛知県選手の最高点は男子260点・女子250点。スピードを重視して、ただウェーブを処理するだけの演技になってしまった。

予選2日目

急斜面・整地・小回り・フリー(国際第1)

先日までの雨が止み、朝方はアイスバーン状態であったが、競技開始9時頃に斜面が程良く緩み、スキーが噛みやすいコンディション。 気温の上昇と共に、班によって雪面状況がかなり変化した班もあり、中盤以降は硫安が入り、その後は安定した状況でした。ライン取りに関しは、上から見て右が均一な斜度、左に行くに従い斜度変化と片斜面と言った状況で、ラインによって若干見せ場、難易度が違い選手の戦略が伺える斜面設定であった。

他の選手全体の滑りを見ると、トップ&テールコントロールのタイプとトップコントロールのタイプと分かれていたが、共通して言える事はスキーの移動スピードの速い・谷回りの捕らえ(ポジッションを上手く落下させてくる)の早い選手に高得点が出ていた。愛知県選手の最高点は男子259点・女子255点。身体の落下スピードが速く、スキーのたわみも少なくターン弧が浅回りになってしまった。

不整地小回り(白樺)

天候は曇り。コブは見づらい状況。滑るラインは、全部で4本。中央の2本は、インターバルの長いラインと常にリズムが変化するライン。両サイドの2本は、非常にコブのピッチが短く難しいラインという状況であった。半数以上の選手は、中央のインターバルの長いラインを選択した。高得点は、スピードの中で深く円いターン弧を描いてきた選手に与えられた。愛知県選手の最高点は、男子264点・女子247点。スピード不足、両脚の曲げ伸ばしのストロークが短いように感じられた。

山口誠選手(予選・不整地)成瀬麻優子選手(予選・不整地)

全体感想

全体的に感じたことは、スピードの速さ・強力なパワー・途切れない運動リズムであった。大回りは、谷回りの早いタイミングからスキーへ働きかけ、たわみの調節を行い、フォールライン出口あたりから切り換えにかけてスキーの走りと抜けを表現することがポイントであろう。小回りは、身体の落下スピードの速さでなく、スキーの山回り前半から切り換えにおけるスキーの左右方向への早さがポイントであろう。

最後に、選手のポテンシャルを最大限に引き出すためには、複数のコーチが継続して選手とコミニュケーションを取りながら、県予選・ブロック大会・合宿を通して選手強化に努め、全日本大会に臨む必要を更に痛感させられた大会であった。

男子・女子ともに予選敗退したことは、昨年までの成績を考えると、今シーズンの選手強化を反省する必要が大いにあると思う。また、来シーズンに向けては、いかに選手強化の具体的な方針・計画が立案できるかが重要であることも感じた。

■ 愛知県選手結果 ■
男子 (予選順位) 女子 (予選順位)
山口 誠
128
宮原 祥予
74
中井 俊暢
157
成瀬 麻優子
75
小野田 謙介
181
中嶋 利恵
79
吉村 典行
219
都築 朋子
89
片桐 健治
249
小川 笑子
91

 

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