平成16年度愛知県スキー技術選手権大会ジャッジ講評

大谷一司(ブロック技術員)

技術戦のジャッジは今回が初めての経験でした。その上、人工ウェーブという種目のためやや戸惑いもありました。

採点の観点は、ウェーブの中で、それに飛ばされることの無いよう上体が安定し、しかもトップコントロールでの早めの舵取りを見せることができるかという点、スキーにしっかり荷重が乗りスキーが暴れず、安定した動きを見せているかという点、全体的にスピード感溢れる迫力のある演技であるかという点、この3点を基本的な視点として採点いたしました。

点数の低かった演技は、回転弧が浅く直線的にただ下りてきているだけの演技、あるいは、ターン前半の谷回りでの舵取りが見られない演技、舵取り全体がテールコントロールに近い演技などでした。

点数の高かった演技は、どんな入り方をしてもウェーブを上手く捌き、ターン弧が乱れず、身体のバランスも崩れず、積極的にトップコントロールを使った大きなターン弧のスピードのある演技でした。ハッとさせられる危険な場面や鳥肌が立つほどの素晴らしい演技まで、滑りに実力の差がはっきり出る種目であったと感じました。